2025年11月22日
【教育哲学】AIを学校現場から駆逐するのではなく、活用するには。
今回は英語教育に限った話ではなく、割と一般的な話をします。
先日、他校の先生と話す機会がありました。
「AIを授業で使うか」という話題です。
意外にも、多くの先生がAI利用に消極的・反対で、生徒にも「生成AIは使うな」と指示しているとのこと。
禁止しても生徒は使うだろうし、追いかけて指導するのはまさにいたちごっこです。
僕個人の考えとしては、AIを前提に授業を設計する方が建設的だと感じます。
具体的には以下。
AI利用前提の授業設計の例
例えば、「あるテーマについて調べてまとめる課題」を考えてみましょう。従来型では、調べたことをそのままレポート提出させ、内容の正確さで評価していました。
しかしAIを禁止しない場合、この方法だとAI生成の情報を丸写ししても点数が取れてしまいます。
そこで少し評価方法を変えるだけで、生徒の思考力を育てられます。
調べたことを何も見ずに発表させる
発表内容をもとに評価する
提出されたレポートについて質疑応答を行い、主に「思考の過程」を評価
何から着想を得たか
レポート作成中に得た知識や情報をどう評価したか
情報の取捨選択や自分の意見との関連性
こうすることで、プロダクトそのものではなく、プロダクトの設計図や作るプロセスが頭に入っているかを評価できるようになります。AIで情報を集めても、自分の考えとどう結びつけるかが問われるため、生徒の思考力や理解力が深まります。
AIを活かしたファクトチェック課題
さらに一歩進めると、あえてAIを使わせる課題もありえます。
例えば、AIに提示された情報を元に一次資料を探し、情報の正確さや偏りを検証させる課題です。
生徒はAIを単なる“答えの生成器”としてではなく、情報探索・評価・検証のツールとして活用することになります。こうした課題を通して、情報リテラシーや批判的思考力も自然に育ちます。
評価のポイント
AI前提の授業で重要なのは、評価軸を「何を作ったか」ではなく「どう作ったか」に置くことです。
プロダクトの正確さや完成度だけで評価するのではなく、
情報を取捨選択する思考過程や考えた理由の説明力、問題解決へのアプローチを評価
この視点は英作文やプレゼンテーション、レポート作成だけでなく、プログラミングやデザイン制作など、あらゆるプロジェクト型学習に応用できます。
まとめ
AIを授業に取り入れるとき、重要なのは「使うか使わないか」ではなく、AIを前提に授業を設計することです。
プロダクトではなく、作るプロセスや思考過程を評価する
AIを道具として活用し、情報探索・ファクトチェック・思考力を育てる課題にする
こうした授業設計にすることで、生徒はAIを使いながら自分の考えを深め、教師も効率的に授業を運営できます。
禁止するよりも、ずっと現実的で効果的なアプローチだと僕は思います。
何より、生徒にとって今後AIを使いこなす技術が必須になるはずです。そういう意味でも遠ざけるのではなく、教育現場でも棲み分けながら共生していくことが大切かな、というお話でした!
