2021年02月06日
【HR】クローンがテーマの映画「レプリカズ」を見て生徒にした話
(タイトルを分かりやすくなるように変更しました。)
以前書いたように、最近毎日昼休みに映画を見てます。
一本目は「レプリカズ」というクローンをテーマにした映画でした。
生徒と一緒に映画を見た後、彼らに語った話を書いてみます。
一本目は「レプリカズ」というクローンをテーマにした映画でした。
生徒と一緒に映画を見た後、彼らに語った話を書いてみます。
クローン技術は最高の医療と言える
映画の中の話ですが、事故で死んでしまった家族の身体を細胞から培養し、完成したその身体に事故直後に採取した記憶情報をアップロードすることで、家族の人生の続きが始まります。もしもこういう技術が存在し、一般利用可能になれば、それは最高の医療と言えますよね。
例えば生まれつき障害があったり難病にかかったりしても、培養した「正常な身体」に記憶情報をアップロードすれば、治すどころか何もなかったことになります。
治療ができなければやり直せばいい。医療技術としてみたときにこれ以上のものはありません。
でも一つ疑問が生まれます。
クローンを作ることで「私」の死はなくなるのか?
自分の遺伝子情報を基に培養され、自分の記憶がアップロードされた身体。でもそれは本当に「私」なんでしょうか?
答えは否です。
思考実験してもらえば分かりますが、あなたが余命幾ばくもないときに、手違いであなたのクローンがあなたの最新の記憶を持って動き出し、そしてあなたは自分のクローンを見つめながら亡くなります。
自分とクローンの自分が同時に存在することが可能である以上、主観的に見た私の死はやはり私の死に他ならず、クローンは結局「他人」に過ぎません。(「自分の遺伝子情報と記憶情報を持っている他人」です。)
クローンの先にあるものは、人が人を所有するディストピア
こういった技術が仮に民間レベルで使用可能になれば、例えば美人モデルや優秀な人のクローンを作って配偶者に……という需要が絶対に生まれます。
そのとき、オリジナルとそのクローンとの間に主従関係(あるいは上下関係)が生まれ、さらにそのクローンが売買されることで人が「商品化」されていき、人が人を所有する奴隷制度が復活してしまいます。
そしてオリジナルとクローンとの間にできた「クローン二世」はデザイナーズベビーに近い存在となるので優れた結果を残すかもしれませんが、それがかえって人の妬みや反感を買い、何を成し遂げても「あいつは親がクローンだから」と差別的感情も生まれるかもしれません。
こうして見ると、クローンは短期的にはよいことがあるかもしれませんが、長期的に見るとかなり強い毒になると言えるでしょう。
…という話をしました。
映画の設定を前提としてるので、僕もそんな簡単に人のコピーが作れるとは思ってませんが、それでも最初に話した「二人の自分が存在したときに「私」は結局私しかいない」という結論は変わりません。
映画を皆で見ると、こういった哲学的な話もできるのでいいですね。
今は二本目の映画を見てます。こちらもなかなかの話題作(問題作?)。また記事にします!
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burwonderwall at 23:07│Comments(0)│HR