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2016年05月25日

【教育哲学】中1の定期試験で教員が気をつけるべきこと4つ

やや煽り目のタイトルですが、波及効果を考えるとテストは本当に大事。

僕が気をつけていることを書きます。


①伝えるべきは【試験範囲】よりも【試験対策】

まず、中1最初の試験なので、ここで苦手意識を持たせてはいけません。

頑張った分だけ報われるテストを作ることを念頭におきます。

そのためには試験範囲を細かく伝え、どういった形式で出題し、それに解答するためにはどういった勉強をするかを示し、そしてそれを一部でもいいので授業中に実際に行うことです。


駄目なのは、「試験範囲:授業でやったこと全部」。

これでは勉強してくる生徒はやる気のある生徒だけですし、勉強して来ても出題形式によっては努力が徒労に終わる可能性があります。

やっても意味がないことに時間を割く生徒もまた少ないです。

近年の「コスパ」という言葉に象徴されるように、若者が気にするのは「自分の努力がどれぐらいペイするのか」ということです。(忙し過ぎる現代に生まれた以上仕方がありませんが、それを乗り越える方法も後で書きます)


僕は試験範囲のプリントを配るときに、一緒に具体的な対策も書きます。

例えば…
__________________________________

【試験範囲】
①教科書(p,○○〜p,○○)
②ユメタンJr.(Unit○~○)

【対策】
①本分中に出てくる単語は全て読める、意味が分かる、そして書けるようにしておくこと。教科書の本文は全て暗写できるようにしておけば完璧。自学ノートを使って暗写を行い、間違いがないか何度もチェックすること。

②ユメタンの単語は書けるようにする必要はない。そのかわり、全て読めて、意味が分かるようにしておくこと。「日本語→英語」を記号で問います。CDを使って勉強すれば6分で150語が勉強できます。書くのではなく、聞くことで勉強すること。

____________________________________

こんな感じです。

実際のプリントにはPYXISやエイゴラボについても書いてあります。

で、授業の中で暗写はさせました。(これもなかなか面白い授業になったので、記事にしたいと思います。)
テスト勉強を生徒に丸投げしたらいい感じにやって来てくれる時代は(多分)終わりました。

うちのように、受験で生徒を集めているような学校でさえそうなのだから、多くの学校でも生徒の変容に対応しないといけないようになっていると思います。


②【試験対策】のプリントは他教科よりも早く

大体一週間前に試験に向かって動く教員がうちの学校は多いので、それに先んじて試験二週間前に試験対策のプリントは配るようにしてます。(今回はさらに先んじて試験の三週間前に配りました。笑)

「そろそろ勉強しないといけないな」という生徒に対して、行動に移すための指標を与えるとともに、他教科よりも勉強してもらおうという腹づもりです。


③試験は簡単に、採点は厳しく

中1の時点では難しい問題はなるべく出しません。平均80点ぐらいのイメージで作ってます。一所懸命勉強しても60点しかとれないテストと、同じぐらい勉強したら80点取れるテストだったら、どちらのテストを勉強する気になりますか?

僕は後者だったので、勉強してもらうために簡単なテストを作ります。だけど満点は取らせないように気をつけます。生徒が満点を取るということは、「そのテストから学ぶことは何もない」ことを意味します。テスト時間も学びの時間なので、そこは気をつけます。


それに関連して、部分点はいっさい出しません。マルかバツのみ。

ピリオドや「?」がなければ、それだけでバツをつけます。

classroomが少しでもclass roomに見えたらバツをつけます。バツをつけるときは多少躊躇いもありますが、ここで英語の基本を軽視する姿勢を身につけることの方がよほど可哀想なので、心を鬼にします。(事前に採点基準を生徒に伝えておくと、バツをつけやすいです。)

これは僕が教員一年目のときに、国語科の大ベテランの先生に教わったことでもあります。

こんな感じで作ると、生徒の反応としては以下のようになります。

(テスト後)「できた!」
 ↓
(テスト返却時)「こんな簡単なところで点数落としてる…」
 ↓
(次回テスト前)「今度こそ満点をとる!」
 
最後の、「満点をとる」という気概を与えることが大事です。先ほど書いた、生徒の「コスパ意識」に対抗するには、別の次元で頑張る目標を与えるしかないと僕は思います。
その一つが、「満点」という勲章です。


「次は90点とります」と日誌や自学やテストの感想欄に書く生徒がよくいますが、僕は全て「90点が目標では90点は取れません。満点狙え!」とコメントして煽ってます。


④「追試は80点未満」宣言

テスト結果が悪い生徒に追試を行うのはよくあると思いますが、「平均点以下の者は追試」と言っていませんか?そして、生徒は平均点ばかり気にするようになっていませんか?

60点しか取れていない生徒が、平均点はあることを知ってガッツポーズする姿に違和感を感じませんか?

以上にあてはまる先生がいたら、解決策があります。

それは平均点関係なく、追試する点数を事前に伝えることです。

僕の場合は「80点未満」です。どれだけ平均が低くなっても、そこだけは崩しません。
(200人中150人追試したこともあります。)


平均点は母集団によっていくらでも変わってしまうので、皆が勉強しなければそれに応じてハードルは低くなってしまいます。他の人間が勉強しないこと、失点することを願うようになれば、人間関係もどことなくギスギスします。

他所は他所。うちはうち。

自分ができなかったことに神経を集中させるべきです。80点というのは、僕はやったことのうち8割は出来ていないと次に進めないという感覚があるので、それを生徒に強制しているだけです。

テストの内容や学年によっては90点でも70点でも構わないと思いますが、事前にボーダーを伝えて、テスト結果でこちらが怯まないことが大事です。

「全員追試でも構わない」という覚悟があれば、何でもできます。


以上四点に気をつけながら、僕はテストを作っています。

ご参考になれば。そして、 今日は僕が担当する中1の初の定期試験でした。僕は採点が早い方なので、すでに全てつけ終わり、平均は88点(中央値91点)という結果になりました。

満点が7名も出てしまったことはこちらのミスですが、思った以上に勉強してきていました。滑り出しとしてはなかなか順調です。
あとは自学ノートとエイゴラボのチェックが終われば中間試験の仕事は終了。


明日は試験の中日でテストはなく、代わりに教員の健康診断があります。

「直前にジタバタしても駄目だ。日頃の努力が大切だぞ」

と、よく言う教員にとってはかなりのブーメラン。とりあえず、間違って朝ご飯食べないようにします。



burwonderwall at 00:54│Comments(0)教育哲学 

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