2020年05月21日
【徒然】コロナ禍が地方医学部の競争を加熱させる。
高2の生徒とのZoom面談が一通り終わりました。
進路の希望なども確認しましたが、東大(理Ⅲ含む)、医学部、それ以外でちょうど1/3ずつという感じ。
担任としては生徒が希望する通りに受験してもらいたいですが、例年一定数いるのが、親御さんの強い要望で東大から医学部にシフトチェンジする生徒です。
こういう外圧で進路を変えた生徒は、実力通りに合格できないことが割合として高い気がします。(データはありませんが。)
なので、家庭の経済状況に余裕があれば、なるべく生徒が希望するように受験してもらいたいと思っています。
ですが、このコロナ禍における「親心」が地方医学部の競争を今まで以上に激しくさせてしまうと僕は思います。
その理由を説明します!
コロナ禍による世界的な不況が家庭を直撃した結果…
社会情勢の変化に応じた経済分析に強みを持つシンクタンク「中部圏社会経済研究所」(名古屋市)は20日、新型コロナウイルスの流行が2020年度の雇用に与える影響の試算を発表した。世界的な流行の収束が今年末にずれ込む最悪のケースでは、全国で最大301.5万人が失業する恐れがあると指摘した。前年度比の就業者数の減少率は4.5%に達し、リーマン・ショック後の09年度の1.5%を大きく上回る可能性がある。
上記の記事によると、最悪の想定ではリーマン・ショックを越える失業者が生まれ、就職氷河期が再来することになります。
また、すでに住宅ローンが払えなかったりする家庭も出てきており、経済的な閉息感を感じる時代になりそうです。
地方からの東大の志望者が減る
東大理Ⅲを除いて、東大生の多くが地方の優秀な学校から来ています。
ですが、コロナの影響下では東京で一人暮しをさせることへの抵抗感が生まれます。
主な二つの理由が以下。
①経済的な理由から東京で一人暮らしをさせられない。(親の減給、子どもがバイトをできないなど)
②疫学上の理由で東京に出したくない。(感染リスク、ロックダウンなど)
さらに就職という観点で見ると、
③就職氷河期の中で厳しい就活をするぐらいなら、医学部に進ませた方が親として安心。
という流れが生まれても何ら不思議はありません。
(確かに逆のベクトルとして、「コロナ禍において医者という仕事の大変さを知った」ということもあるかもしれませんが、それでも仕事を得られないかもしれないという恐怖感には勝らないという見立てです。)
理系でやりたいことがはっきり決まっていない生徒だと「東大か、地方の国立/市立医学部か」という悩みはどこの進学校でもあるかと思いますが、上述した条件を加味すると、今後、地方の医学部を選ぶ生徒や保護者が増えていきます。
医学部を目指すなら、生半可な覚悟では難しい
なので、今後の経済的な不透明さが際立っていけばいくほど、東大や京大での一人暮しを諦めて地元の医学部を選択する生徒が増えていき、仮に模試で医学部A判定をもらっていても実際の入試では倍率が跳ね上がって不合格になるということは考えられます。
個人的な感覚では、例年のボーダーよりも偏差値で1.0~2.5ぐらい上がるんじゃないかと思うので、医学部を目指す生徒はギリギリ合格ではなく、上位合格を目指すぐらいの気持ちで頑張らないといけません。
…と、こんな話を面談した生徒にしました
逆に東大を目指す生徒には追い風の情報として伝え、励ます材料にしています!
あくまで個人的観測なので実際どうなるかは分かりませんが、それでも可能性の一つとして関係がある生徒には伝えておくべきかもしれません。
あ、ちなみに理Ⅲは変わらないと思います。
開成、桜蔭、筑駒など関東圏の学校からの入学者が多く、それ以外でも灘などの教育に力を入れられるだけの経済的体力のある親御さんばかりなので、コロナ禍においても日本の入試における最高峰という地位は揺るがないでしょうね。
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burwonderwall at 17:13│Comments(1)│徒然(日常)
この記事へのコメント
1. Posted by wonderwall 2020年05月22日 13:43
一部加筆、修正。