2020年03月10日
【徒然・読んだ本】新型コロナで学校に生徒が来ないので読んだ本④
超訳「国富論」
アダム・スミスの「国富論」の超訳版です。「(神の)見えざる手」という言葉は多分誰でも聞いたことあると思いますが、めちゃくちゃ誤解されてます、ってところからはじまります。
「利益を求めたら結果社会が良くなる」っていう功利主義的なイメージを僕は持ってましたが、全然違いました!
むしろ、人を豊かにするための知識や知恵が凝縮されてます。
また、それを分かりやすく現代日本との対比であぶり出すという超訳の醍醐味。
例えば、当時イギリスは重商主義の時代にあったにもかかわらず「輸出超過で儲けすぎると痛い目にあうからほどほどにして、国内産業を充実させなさい」とアダム・スミスは指摘します。
最近日本がアメリカのトランプ大統領が名指しで批判しましたよね。(「自動車をどんどん輸出して一方的に儲けている!」)
他にも「独占は誰のためにもならない(独占している人にとっても!)」と指摘していますが、国に抱えられて独占的に仕事を受けていた東芝(ナショナル)も、甘い汁を吸っていたがために競争力が育たず、結果として中国企業「美的集団」の傘下に組み込まれてしまいました。
他にも高速道路の通行料金とか消費税のデメリットとか、アダム・スミスの指摘が全て現実になってしまっています。
ちなみに大政奉還で江戸幕府を閉じたのが1867年。
アダム・スミスの「国富論」が書かれたのが、なんとその約100年前の1776年。
1776年ったら日本は「ド江戸」ですよ。(謎)
そんなサムライの時代に、現代にまで通じる経済の本質を見抜く慧眼に心服。
まさに経済版「孫子」ですね。この超訳版は本当に読んで良かった。偉人はやはり偉大でした。
「父が娘に語る経済の話」
アダム・スミスで経済学熱が上がってしまったので、もう一冊いっちゃいました。
そして、この本、めっちゃわかりやすい!
専門用語を使わずに、世の中の経済的な現象を噛み砕いて説明してくれます。
先程の「超訳国富論」と、先日読んだ堀江さんの「99%の人が気づいていないお金の正体」とリンクする部分が多いこともあって、かなりの腹落ち感。
経済に関する面白い話もたくさん。
例えば、こんな問い。
「ヨーロッパがアフリカを植民地化したが、なぜ逆は起こらなかったのか?」
こういうことって、何となく夢想したことありませんか?
「世界中の人が英語を学んでコミュニケーションツールにしているけど、それがなぜ日本語じゃなかったのか?」とか。
僕はしてました。(笑)
でも結局は曖昧だったりありきたりな答えしか出てこないのですが、この本の著者は違います。
先程の問いに、明確な答えを用意してくれます。
いきますよ?
結論
アフリカがヨーロッパよりも縦長だったから。
え??
って感じですよね。
一応以下に要約のせます。
ヨーロッパは横に長いので気候が大きく変わらず、作物を育てる知識や技術が伝播しやすく、それが余剰を産んで経済が発展した。
しかしアフリカは南北に伸びていて地域間の気候差が大きいので、ある作物を育ててもその知識や技術が伝わりにくかったために余剰が生まれにくく、経済的にヨーロッパと差が生まれ、最終的に呑み込まれてしまった。
この答え、めちゃくちゃ面白くないですか?
地理的条件が経済格差を産んだから、もう一回恐竜絶滅ぐらいから人類の歴史をやり直してもやっぱりヨーロッパがアフリカに勝っちゃう、ってことです。
経済について学びたいなら、この本を一番最初に読むのがいいかも!
とりあえず来年の講座で生徒に読ませる一冊にします。
あー、読書最高。
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