2019年07月10日
【英語教育】Genius Communication Ⅱを用いた「教えない授業」のやり方を公開します!
今回は以前から記事にしていた協同学習と能動学習、いわゆる「教えない授業」のやり方を公開します。
授業の目標…生徒が個人作業でシャドーイングをし、分からないところがあれば生徒同士で尋ねあって教え合い、特に中下位層の生徒が一斉授業と比べて能動的に学ぶことで期末試験の標準偏差が縮まることを目標とする。
【下準備】
・新出文法に関する問題をペアで参考書見ながら解く
・新出単語を音読し、ペアで日→英、英→日のクイズを出しあう。
・本文全体のリスニング(パート毎にメモを取らせる→ペアで内容推測)
・速読(100wpm以上で本文全体に目を通す)
・簡単なT/FとQ&A
・シャドーイング指導
小テストや帯活動があるので、下準備で六時間使いました。
【配布プリント】
・日本語訳 (直訳と意訳の二種類)
・スラッシュリーディング(左に英語、右に日本語でチャンク毎にスラッシュが引いてあるもの)
・本文に直接僕が文型処理したり、大事なところに下線を引いたりしたプリントのコピー
・質問用紙
【授業の準備物】
・ 教員の指導解説書を拡大コピーして模造紙に貼り付けたもの(英文の解説の部分だけをコピーしましたが、模造紙2枚あれば余裕でした)
・CD デッキ(音量最大、スピード最速に設定)
【授業】
生徒たちはプリントを持ってCDデッキの周りに集まり、シャドーイング行います。
基本は何も見ずに口に出している英文の意味を考えながら行うmeaningful shadowingをし、何回やっても理解できないところがあればスラッシュリーディングのプリントの英語か日本語を見ながらシャドーイングを行わせて、意味のまとまりを意識させます。(日本語を見ながらしたときは英作に近い感覚なります。)
CDデッキから少し離れた場所に解説書を貼った模造紙が掲示してあるので、自由に参照します。(僕の生徒はそれを見ながらメモしてました)
また、模造紙の近くに相談スペースを設け、生徒同士での相談も許可します。
もしそれでも解決しないことがあれば質問用紙に質問を書いて、僕のところに提出します。この質問用紙には仕掛けがあって、予め班割りをしたリーダーが班員の質問を提出することになっています。リーダーは中間試験で良い点数を取った人を任命してあるので、質問をまずリーダーに相談させることで、半ば強制的に教え合う関係を作らせます。
またこちらも有象無象の質問に答える必要がなくなり、リーダーが答えられなかった、ある程度レベルの高い質問に集中して答えることができます。
提出された質問用紙ですが、その解答欄に答えを書いて、先ほどの模造紙の空いたスペースに貼り付けておきます。こうすることで生徒はこれまでに出た質問を読むことができるので、クラスを越えた間接的な生徒同士の学び合いも生まれるとともに、僕も同じ質問に答える必要がなくなるので一石二鳥です。
【声かけ】
こんな授業を試験前の2週間行っていましたが、生徒に丸投げ感を出さないために、
「この活動を通して能動的に学ぶことを学んでほしい」
「教える方がお互い楽だけど、楽なことは力がつかない」
「普通はこの形式は難しいけど、君たちならできると信じてやってみる」
という声かけを折を見て行いました。
以上が今回やってみた「教えない授業」のやり方でした!
実際の授業では大教室を借りてCDデッキを2つ用意し、レッスン2つを同時進行で行いました。生徒の取り組む姿勢は悪くなかったように思います。
改善点はとりあえず2つ。
・授業後に取り組んだ姿勢の自己評価をさせることでやりっ放しにならないように
・班で試験の予想問題を作らせたりしたら、さらに学び合いが加速して面白かったかも
もうすぐ試験ですが、肝心の結果はどうなるやら。ドキドキ。
また追って報告します!