【徒然】雑誌の取材を受けたけど、なかなか楽しかった話【英語教育】Genius Communication Ⅱを用いた「教えない授業」のやり方を公開します!

2019年07月08日

【科学×HR指導】生徒の学習習慣を担任として身に付けさせる方法

新しいカテゴリーを作りました。
【科学×HR指導】です。
科学(主に心理学)の知識を使い、ホームルームで担任が生徒をどう指導するかについて考えていきます。

今回はその第1回目ということで、「生徒の日々の学習習慣についてどうサポートしていくか」について話します。


担任として生徒の学習に関わるのでよくあるのは、「試験前に勉強計画の紙を配って計画を考えさせ、試験後にどの程度計画通りに進めることができたかという振り返りを書かせて提出する」といったものがあると思います。
結論から言うと、こういう計画を立てさせても生徒が正しい目標設定の仕方を知らなければ意味がないどころか、むしろ悪影響です

なぜならこういった計画は大体が実現不可能な理想的な目標を掲げやすく、三日待たずして計画が破綻し、早々に挫折感を味わうことで勉強のモチベーションも下がり、結果として「計画なんて立てない方がマシだった」ということが起こりえます。

生徒に計画を立てさせるためには、以下の観点と、それを支える二つの原則を伝えましょう。

観点:「前に進んでる」と思える小さな目標設定をする

計画を実行するために大切なことは、自分が少しでも前進していることを感じられることです。これは行動心理学で「スモール・ゴール」と呼ばれているものです。

例えば「英単語を100個覚える」という計画は、英単語を100個覚えるまで達成されません。99個覚えていても、計画の上では未達成になります。
それでは「英単語100個のうちのどれか10個を覚える」だとどうでしょう。これなら計画を立てた初日にでもクリアできそうですよね。クリアできたら、次はそのハードルを20個→30個…としていけばいいのです。
小さなハードルでもクリアしていくことでそれが次に進む推進力になります。

それでもついつい大きなハードルを設定してしまうのは、ゴールから逆算するからです。ゴールに立っている「理想的な自分」が実現可能性を歪ませてしまいます。このあたりは抵抗があると思いますが、「完璧主義者であるほど途中で仕事を諦めやすい」という研究結果があります。
「完璧に全て終わらせていることはない」というところから計画をスタートすれば、「今日何をしないといけないか」という引き算ではなく「今日は何ができるか」という足し算の発想になります。で、どちらが前向きに勉強に取り組む可能性が高いかは…言わずもがなですね。

前進感のある計画を立てるために必要な原則2つ:
 ×「できたらいいな」という計画
○「できないとヤバイ」という計画

×「ゴールから逆算」
○「今日1日で出きることを足し算」


あとは、どの程度進むことができたかを1日の最後に記録しておくことで更にモチベーションが上がるそうです。

生徒にはその時点においてなるべく正しいとされるやり方を教えてあげないと、人生100年間違え続けるかもしれません。教科の知識も大切なんですが、こういう学習に関するメタ知識の誤りの方が生徒に対するダメージは深刻です…。日々勉強ですね。



burwonderwall at 05:25│Comments(0)科学×HR指導 

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