2019年03月25日
【心理学×教育】「繰り返し」が逆に記憶の定着を阻害してしまう科学的理由
久しぶりの心理学ネタです。
今回は今まで以上に我々の「思い込み」をぶち壊す内容になっています。
元ネタはDaiGoさんのこの動画。
まずは大事なことをまとめます。
まとめ:テキストを何度も読むという勉強方法は無意味どころか害がある可能性すらある。
- 衛生に関する動画を2回見たグループと1回だけ見たグループにテストを行った。
- 結果、2回見たグループの方が平均で3点程低かった。
- アンケート結果より、2回見たグループの2回目は集中できてない人が多かった。
- つまり、繰り返し同じ動画を見ても、2回目は1回目よりもインパクトが少ないため集中が切れてマインドワンダリングしてしまう。
- 1回のみのグループはテストを受けるまでにアクティブレストが働いて記憶に残るが、2回見たグループは「2回目自体が無駄な情報」となり記憶の定着を阻害してしまう、という結論。
以上のことをそのまま英語教育に応用すると、「何回も同じテキストを参照させたり、複数回同じ説明をすることが授業の流れの中でルーティンになっている場合、かえって記憶への定着を阻害する」ということです。
冗長な説明もこの範疇に入るでしょうね。なので、例えば「1回しか言わない」と前振りしておいて、本当に1回しか言わないのが文法指導の肝ということになります。
(ただし、問題演習はこの限りではなく、やっただけ力がつくとのことです。)
そして、リスニングについて言えば以下のことが言えます。
リスニングは2回かけるよりも1回だけの方が効率がよい可能性がある。
これって結構革命的な結論じゃないですか?極論言えばリスニングで20分かかることが実は10分でできたり、もしくは倍の量聴けるということです。
勿論生徒がもう1回聴きたいと言えば聴かせてやればいいですが、最初から2回かける前提は不要ということです。
この方式に慣れると、例えば模試や入試でも生徒の聴き方が変わってきますよね。2回目で合わすのではなく、1回目で合わせて2回目で確定するような意識で聴けるはずです。
2回の目的を変えてマインドワンダリングを防ぐことで、集中して聴くことができます。
一期一会だと思うことで生徒がアクティブに学ぶということを、頭の片隅に置いておくといいですね!
burwonderwall at 18:38│Comments(0)│心理学×教育