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2019年03月08日

【心理学×教育】生徒に小テストで連続満点合格を狙わせる心理学的な仕掛け、Helpカード

ユメタンを使って単語テストをしていますが、80~90%合格で中1からやっています。

で、合格は合格なんですが、80%と100%ってかなり違うんですよね。勉強時間的にもその後の定着度的にも。
どうにかして満点を取ることを目指してもらう、というか「90点で悔しがる小テストにするにはどうするか」ということで生まれたのが「Help Cardシステム」です。

このシステムを導入してから、上位だけでなく中位の生徒たちまで明らかに満点を狙って勉強してくるようになりました。
今もずっとそのシステムでやっているんですが、実はこのシステムが心理学的にも非常に理にかなっていたということが分かったので、今回はこの「Help Cardシステム」をシェアします!


まず、Help Cardですが、色画用紙に「Help Card」と印字し、クラスと名前を書く場所を用意します。
これは、一枚につき小テストのミスを一問帳消しにできるという、まさに垂涎のアイテムです。

で、このカードをどうすれば手に入れられるかなんですが、単語テストで連続満点合格につき一枚としています。
つまり、2回連続で一枚、そこからチェーンで3回連続で二枚、4回連続で3枚…とHelp Cardがもらえます。ですが、一回でも満点以外を取るとチェーンが切れてしまうので、Help Cardをもらうにはまた2回は頑張らないといけません。

このようなシステムを導入すれば、満点狙いが増えて、なおかつ満点を取れば取るほど「次も取らないと勿体ない」という心理が働くかと思ったんですが、心理学(厳密には行動経済学)の分野で言われているプロスペクト理論に則ったやり方だということが最近分かりました。(リンク先はWikipediaです。)

時間がない方のために分かりやすく言うと、「人間はある物の価値について、手に入れた時よりも失うときの方が高く感じてしまう」ということです。

例えば、
  • あまり使わない服とかマグカップとかあるが、いざ捨てるとなると勿体なくてなかなか捨てられない…
  • 机上に資料があるが、目を通して必要な情報は手に入れたけど、また読むかも、と思うと捨てられない…
  • 株やFXとかで利確は微額でもすんなりできるけど、同じ額の損切りはなかなか出来ずに様子見したり塩漬けしたりしてしまう…
ということなんかもプロスペクト理論で説明できます。簡単に手に入れたとしても、一度所有することで価値が上がってしまって、捨てたり譲ったりがしにくくなるのです。

では、このプロスペクト理論を基にして先ほどのHelp Cardとユメタンテストにおける生徒の心理を分析するとこんな感じ。

  1. 満点を取って、Help Cardをもらえる権利を獲得
  2. せっかく獲得した権利を失うのが勿体ないから満点合格目指して勉強する
  3. 満点合格してHelp Cardを獲得。それによって益々Help Cardをもらう権利を手放したくなくなり、勉強する…(以下ループ)

Help Cardがあると勉強しなくなる気がするかもしれませんが、生徒は意外と使いたがりません。なぜならそれもプロスペクト理論通り、一度手に入れたものは勿体なくて使えないからです(笑) 

あと、「90点合格をHelp Cardで満点にする」というのは出来ないようにしてます。自力で獲りに来い、ということで。

他にもやりようはあるかと思いますが、何かを価値のあるものを手に入れさせて、それを失わないように勉強させれば満点合格目指してくれると思います。是非参考にしてください!



burwonderwall at 05:31│Comments(0)心理学×教育 | テスト

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