【英語教育】長期休暇課題の革新的配点方法【徒然】冬休みも終わるので、僕の日常の一週間を公開します。

2019年01月05日

【教育哲学】そして誰もいなくなった…?

ネットニュースで最近こんな記事がありました。

まず言いたいことは、学校の労働形態について現場から声をあげることは確かに大切です。

我々はプロの「教師」であって、「サービス業」ではないし、ましてや「何でも屋」ではありません。


僕の友人の多くは公立校で勤務していますが、彼らに言わせると、授業について準備をしたり教材研究をする時間は勤務時間内にほとんど取れないとのことです。


そんな本末転倒な状況はすぐにでも改善しないといけませんし、さらに最近は「ブラック部活」や「BDK(部活大好き教員)」という言葉も認知され始め、「部活は教員の善意によるボランティア」ということが保護者にも伝わっています。「教師」としてのプライドを持ち、現場の環境を改善するための声は必要です。


しかし、当たり前ですが、この種の現状の悲惨さに関わる発信は諸刃の剣であることを再確認しておかないといけません。



それは冒頭のネットニュースのように、教師を目指す学生の意識にまで影響を与えてしまうことに代表されます。
職場環境を改善するために現場の悲惨さを声高に叫べば叫ぶほど、その環境に身を投じることにブレーキがかかります。

問題はアクセルを踏む人間が当事者一人であるのに対して、その周囲にはブレーキをかける人間が(必然的に)複数人いる、ということです。
例えば、両親や、親戚の叔父さん、友人、近所のおばちゃんなどに「教員になりたい」と言えば、かなりの確率で「大変だよ」とか「ブラックらしいよ」とか「他の仕事にしたら?」といった返事が返ってくるでしょう。
教員になるどころか、教育学部に進学するだけで酔狂な奴だというレッテルを貼られかねません。
そんな環境では、本人に余程強い意志がなければ教職につくことなどどこかで諦めてしまいます。

そしてこれも当たり前ですが、この線路の先にあるのは「ただでさえきついのに、人手も足りなくなり、学校という組織そのものがたち行かなくなる」という着地点です。

 もちろん文科省がすぐに環境を改善するように動けばこんなことにはなりません。
でも、今の若手世代が権力を握るまでは変わらないと思ってます。理由は2つ。

1つ目は僕の偏見ですが、教員の忙しさの一端には「文科省(や管理職)が現場の教員を信用していない」ことに起因していると思うからです。起案、報告書とペーパーが増えたり、長期休暇に研修を義務づけたりというのは「そういうこと」であり、現場が疲弊しているなら「尚更締めないといけない」というロジックを取ると思うからです。(繰り返しますが、僕の偏見です。)


2つ目は、一般論として世の中には「変化を嫌う人」が一定数いるということです。それが例え、負担軽減という変化であっても、これまでのやり方を変えたくない現場の人たちが反対し(「俺たちが若いころは…」とか「最近の若者は…」とかいう言葉で。)、うまくいかないように思えます。


だから改革が起こるとしたら、それは今の若い世代が発言権を持ったときです。そして、それは恐らく自然発生的に起こります。(かの地動説が当時の古い世代には受け入れられず、世代交代とともに
「常識」になったように。)そうなると、大きな変化が起こるまでに、残念ながらあと20~30年かかりそうですが、その時果たして人手不足に喘ぐ「学校」というシステムは機能しているでしょうか? 


教員の負担軽減に向けて、学校や地域毎ではなく、結局は教育のトップである文科省に大鉈をふるってもらうことが必要だし、そのときのモデルになりうるのが多様性を持つ私立の役割かもしれません。マンパワーがあるうちに手をつけないと取り返しのつかないことになりそうです。

僕は私立学校に勤めているので仕事量としてはかなりゆるいですが(毎日8時半出勤、部活がなければ17時退勤、部活があれば18時退勤。部活は週2回のみ)、対岸の火事としてではなく、教育全般に関わる問題として今のこの状況を見ています。


ということで、僕が言いたかったことをまとめると「学校という職場環境を改善するために世の中に悲惨さを伝えれば伝えるほど、学校という組織が危うくなる」ということでした。

まあでも学校教育そのものが淘汰されるべきシステムに過ぎず、上位互換できるシステムがITの発達と共に今後現れるのかもしれませんけどね。(シニカルすぎ?)


以上、「【教育哲学】そして誰もいなくなった…?」でした。

→続編はこちら


burwonderwall at 22:20│Comments(0)教育哲学 

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