「自分から動く」ということ【英語教育】2学期の間に長文を100以上読ませる方法

2015年11月26日

模試の結果と長文「一日一題」

昨日は河合塾の全統記述の結果が戻ってきました。

高3が全体で受ける模試としてはこれが最後。


過去3年の平均偏差値が60ちょっとでしたが、

今回はそれよりも2弱ぐらい良かったので、

それなりの結果だったのではないでしょうか。





10月に受験した模試ですが、9月から二次力強化で

「一日一題」と称してかなりの数の英文を読んできました。

9月1日から11月26日の時点で105題ほど。

3ヶ月経ってないのに100題超えてますから、一日一題は嘘ですね。笑


ひたすら量を読むことについては賛否あるかと思いますが、

多くの英文に目を通すことで得られる良いことは、3つあります。


一つは、「形式論理に慣れる」ことです。

特に、抽象ー具体の対応をきちんと考えながら読むこと。

これが出来るようになると、分からない表現が出て来ても、

具体例をきちんと読み取れば意味理解できる。

逆に、抽象の部分で理解できていれば、具体例は斜め読みしても構わない。

また、譲歩として書かれている部分が譲歩だと気づけることが大事です。

特に英語力が今一歩な生徒は、譲歩部分に引っ張られて論理展開に

ついていけないことが多いように思います。

of courseとか、surelyとか、そういったディスコースマーカーに着目させて

指導することから始め、最終的にはそういった語句がなくても譲歩として

機能している部分をきちんと指摘してあげることが彼らの血肉となります。


僕が思うのは、英語のロジックを知るにはメタ知識だけでは不十分だということ。

パラグラフリーディングとか、ディスコースマーカーとか、

そういった概念は知ってても、それが「実際の英文」においてどう機能していくかを

「肌感覚」で知らないと、結局身に付いたとは言わないんだと思います。

これは、僕自身の学習者としての経験によるものですが。


二つ目は、「題材に慣れる」ということです。

心理学や、難民問題、環境問題、テクノロジー、政治と経済、文化比較論…

枚挙に暇がないほど、多くの内容が入試英語では取り扱われます。

多くの英文を読むことで、もちろん全く同じ内容ではないかもしれませんが、

入試でも少なくとも同じジャンルの話は出てくるはずです。

何かを読みながら、「この話知ってる」と思えることは心理的にはかなりの

アドバンテージになるはずです。

そして、知ってるはずの話が逆接で展開していくとき、「何が起こるんだろう」

というワクワク感が生まれます。

内容に興味を持つことも、大事なリーディングストラテジーの一つです。


三つ目は「教養を身につける」ということ。

上述した通り、様々なジャンルの英文を入試対策として読むことになります。

でも、当たり前ですが、英文には適当なことや嘘は書いていないわけです。

(後になって「真実ではなかった」ということはあるかもしれませんが、

 少なくともそのテクストが書かれた瞬間においては、真実であったはずです。)

そして、高校生が読めるレベルの内容ですから、過度に専門的であることもない。

つまりそこに書いてあるのは、

「普通の英語力があれば誰でも分かる、正しいこと」です。

例えば「吊り橋理論」とか「幼児のマシュマロ実験」なんて

手垢がつくぐらい有名ですが、生徒は多分知りません。

少なくとも僕の生徒は知りません。

大学で進む分野によっては、ひょっとしたら一生知らないかも知れません。

それは可能な限り避けたいと思うわけです。

僕が彼らに贈れるのは、英語力以外ではそういった一般教養かもしれないと思って、

長文を読んだ後には関連事項で「教育学部出身の僕ですら知っていること」を

彼らに伝えます。

知っていることが無ければ、「僕が不思議に思うこと」を伝えます。

それが、今後の彼らの「思考の種」になるかもしれないと思って。


以上が、僕の思う、英文を沢山読むことの利点でした。

まあ、今回の模試の結果がなければ書かなかったでしょうね。

僕自身、仮説→検証のまっただ中ですから。

ただ、どこかで同じことを考えているけど二の足を踏んでいる先生がいたら、

この記事が参考になれば幸いです。


次回は、どのようにして一日一題以上の英語長文を生徒に読ませるかについて

記したいと思います。


お読み頂き、ありがとうございました。

娘と同じ時間に寝たら、早起きになりました。







burwonderwall at 03:29│Comments(0)

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