東京旅行模試の結果と長文「一日一題」

2015年11月25日

「自分から動く」ということ

火曜日は剣道部の指導。

僕が勤める学校は、部活は週2回の16:00〜18:00と定められています。

僕自身、中高生時代は毎日剣道をしていたので、これには驚きました。

そして、多分これでは勝てないな、とも思いました。


しかし、昨年度は団体戦で県三位に入賞することができました。

中1から剣道を始めた生徒を二人、先鋒と次鋒に据えての勝利だったので、

僕としても目から鱗が落ちるような大会でした。


そこで僕が思ったことは「練習量が少なくても勝てる」ということです。

しかし、そこには大きな条件があります。

それは、「自分で考えて、自分で動くことができる」ということです。


例えば、クラブ顧問が手取り足取り、一から十まで全て指示を出す。 

稽古中にさぼっている生徒がいないか目を光らせる。

さぼっている(ように見える)生徒を見つけたら、見せしめに叱りとばす。

これってすごく「熱血」のテンプレート的な部活指導ですが、

「叱られたくないから頑張る」生徒が、

「叱られないと手を抜く」ようになるのは

人間として当たり前のことだと思うんです。


かと言って、だらけているのを叱らないのも駄目。

全力でやらなければ、何をやっても時間の無駄。


ではどうやって生徒に全力でやってもらえばいいのか。

それは、「その競技の奥深さを知る」ということに尽きると思います。

身体が大きいから勝つわけではない。

力が強いから勝つわけではない。

自分の身体がどのぐらい動くかをきちんと知り、

そしてその動きに合わせた戦略を取ること。

メンタルで負けなければ、それだけでいい勝負ができます。

そしてそれが分かるようになってくると、稽古中さぼりません。

だって、楽しいから。

強い人間と同じように動かないといけないと思うと、

多くの「出来ないこと」にぶつかって、みじめになります。


でも、「自分は自分のままでよい」という状態から始まって、

そして「自分」をどれだけ拡張させていけるかに集中すると、

他人と比べるのではなく、「昨日の自分」と比べるようになります。

練習して下手になることは稀ですから、多くの場合において

達成感を感じることができるようになります。


ただし「メンターとしての他人」は必要です。

それが部活の同級生、先輩、顧問だったりするわけです。

自分では、自分の動きが相手にどう映るかは分からないし、

多くの場合において、自分のイメージと実際の動きには乖離があるのが普通だから

それをきちんと見極め、アドバイスしてくれる人が必要なわけです。

(武井壮さんも、自分の身体をきちんと動かすことの大切さと難しさを

 説いておられますが、全く同感です。

 僕の考える部活の位置付けは、「自分の身体の動かし方を学ぶ」場所です。

 日中は頭の動かし方を学び、その後に自分の身体の運用方法について学ぶ。

 文武両道の「武」って、そういうことだと思うんです。……余談でした。)


顧問が全て教え込むのではなく、生徒同士で教え合えばいいんです。

もちろん生徒が間違った方向に努力してしまうことは多々あります。

目標と見当違いの練習をしたり、小手先の技の練習に終始してしまったり。

それは顧問が意図を確認した上で軌道修正してあげて、あとは基本的に任せる。

やらされることより自分でやることの方が力になるし、何より楽しいから。


後になって聞いた話ですが、冒頭の県三位になった子たちは、

朝や昼に集まって自主練をしていたみたいです。

(かといって、彼らはいわゆる「部活だけ大好き生徒」ではなく、

 今は高3受験生として、東大を目指して頑張ってます。)


部活指導についての具体的な話はまた書きたいと思いますが、

これって部活だけの話ではないよなぁと感じる次第です。


お読みいただき、ありがとうございました。






burwonderwall at 06:13│Comments(0)

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
東京旅行模試の結果と長文「一日一題」