僕の受験の思い出携帯電話を没収するときに気をつけるべき二つのこと

2016年01月25日

不登校生徒との付き合い

今日は思い出語りを。


僕の勤める中高一貫校では、中学から高校に上がるとき、


よっぽど悪い成績がつかなければ進学できます。

しかし、中には進学をあきらめる生徒もいます。

それが、不登校の生徒です。


僕は今の高3が中1に時に副担任、中2で担任を持つことになりました。

初めての担任業ということで、嬉しさと気恥ずかしさが入り混じった気持ちで


生徒と過ごしていました。


中3でも担任となりましたが、その時に大きな問題がクラスでおきました。

生徒が不登校になったのです。


家庭の事情と学校での友人関係が彼にとって大きな重圧となってしまったようです。


保護者の方とはそれまでの面談でそれなりに良好な関係を築いていましたが、


不登校となったあたりでは、やはり私に対しての不信感を持っていました。


その後、家庭訪問という形で何度か家にお邪魔し、色々な話をしました。


一人の生徒と個人的に深く関わったのは、これが初めての経験でした。


その後、時間を置いたことで彼も何とか少しずつ立ち直り、


保健室まで来てくれるようになりました。


もともと人気者だった彼と話しに、他の生徒もよく保健室に通っていたようです。


中3の夏休みを過ぎたとき、彼はこう言いました。


「この学校の先生たちは好きだし、友達もたくさんいる。

けど、他の学校でやり直してみようと思います。」

彼の決心を聞いて、公立学校の入試対策を一緒に始めました。


もともと学力の高い子なので、そんなに心配はしていませんでしたが、


入試の合格発表を一緒に保健室で見たときはさすがに緊張しました。


見事地元の公立高校に合格し、彼は旅立ってゆきました。


保護者の方も涙を浮かべてお礼を言われました。


その後も、彼とはメールをときどきやり取りし、近況を教えてくれます。


人生なので、もちろん「順風満帆」にはいきませんが、


「いろいろあったけど、決断してこれてよかったです」

というメールをもらったとき、


「これでよかったんだな」と、やっと思えました。


(彼の卒業後の詳細については別記事(教師冥利とライバル心)に書いてます。)



高校一年生の担任のときには元々不登校気味だった生徒の担任になり、


彼も途中で転学していきましたが、今年の文化祭で僕に会いに来てくれました。


彼も、「今がすごく楽しいです」と言ってくれています。



もちろんそれは僕の中でも数少ない「成功例」であって、


生徒との関係がうまくいかず、学年主任に対応を任せたこともあります。



でも、多分それって仕方ないことだと思うんです。


人間同士の付き合いは、マニュアルとかHow toでは語れないと思います。


気が合う人もいれば、気が合わない人もいる。


僕たちができることは、「僕が何とかする」ことではなくて、


「何とかできる人を一緒に探す」ことだと思うんです。


それがもし自分であればありがたい話ですが、そうでないことの方が圧倒的に多い。


だから、学年主任の方が話しやすいのであれば、そちらに任せたほうがいい。


他の学校の方で過ごす方が気楽であれば、そうした方がいい。



僕のこういう意見を、ただの責任転嫁だと思う人もいるかもしれません。


僕自身、そう思って悩んだこともあります。


でも、今でも彼らが連絡をくれたり、姿を見せたりしてくれるのは、


きっと僕がそういったことを「他人任せ」にできたからだと思います。


僕は、彼ら自身に決断を任せました。


一人の人間として彼らとじっくり話はしましたが、最後の決断は任せました。


僕が、「担任としての責任」という名のもとに彼らを無理やりでも縛り付けていたら、


今の関係はなかったと思います。



そして、この僕の考え方も決してマニュアルではありません。


彼ら二人は、本当に学校に行きたかった、友達と普通に過ごしたかったけど、


身体がそれを許してくれなかった生徒たちです。


「不登校」と呼ばれる子たちの中には、怠け心からそうなる子どももいると思います。


保護者や教員を困らせようと思って、「不登校」になる子どももいます。


一人ひとりの子供たちが、どういった理由で不登校なのか。


それを見極めることが、教員の一番大事な仕事だと思います。



不登校の生徒がクラスに一人いると、疲労感は倍増します。


それを全て自分で抱え込まず、「他人任せ」に出来る部分はそうしていきましょう。


他の先生が自分に「他人任せ」にしてくれたら相性が良いことだってあるわけですから、

仕事の押し付けだと思わず、教員同士で助け合っていければと思います。
 



burwonderwall at 23:26│Comments(0)

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